プロクトン、デンジャラス・ドライブ
Posted: 2005年05月09日(月)12時57分16秒絶景の連続、あちゃ~側溝にハマる…
なぜプロクトン(Plockton)へ行こう!と思ったのかというと、おいしいレストランがあるらしいから。Phil(イギリス人)がアメリカで入手してくれたイギリス旅行雑誌にGastro Pub(ガストロ・パブ/おいしい食事をだすパブ)の特集があり、その一つがPlockton Hotelだったのだ。
インヴァーガリーからA87をスカイ島方面に向かって疾走するフォード・フォーカス。この道は景色が良い。道路沿いにところどころある駐車場(Pマークの標識)に停車すると、そこからは絶景を眺めることができる。
他の人も同じように景色を楽しみながらドライブしているので、 駐車場で同じ車に何度も出会った。しかし、スコットランドの東側を走っている時は全然ガソリンが減らなかったが、さすがに山が多い地域に突入したことでガソリンの消費量が増える…。
日本の山ほどは高くないだろうけど、山頂に雪を頂いた美しい姿に感動!イングランドには山らしい山はないもんね…スコットランドの景色だ。5つの山が連なるファイブ・シスターズ(Five Sisters)の辺りで、車を止められそうな空き地(駐車場ではない)があったので、降りて近くを流れる川などを撮影する。
先ほど何度か絶景パーキングで見かけた車がやってきて同じように停車した。大学生くらいの男性4人組だった。朝からmieが運転していたので、ここで運転交代。さぁ、出ましょう!とおもったらガガガガッとすごい音が…。
私が空き地から道に出ようと思った場所は正規の出入り口から微妙にズレた場所だった。本当はポールが立っていたみたいなのだが、倒れていて気付かなかったのだ。あぁ~あ、溝にハマって前にも後ろにも行かない。砂利道なので余計にタイヤが空回りだ。
アホがいると思ったのだろう、先ほどの男性4人組がやってきて「僕らが後ろから押すから…」と言ってくれる。らっきー。さすがに複数の男性が押してくれたので、比較的簡単に車は溝から脱出!THANK YOU VERY MUCHを連呼した私…。A道路沿いではあるものの、そんなに車の通行量はないので彼らがいなければロードサービスにでも電話しなきゃならなかったな。
ヒドイ音がしたので絶対にどこか車にキズがついていると思ったが、お腹をこすっただけらしく大丈夫だった。いや、オイル漏れとかしてたら困る!が、それも大丈夫。ゴメンね、フォード君。
オススメ美しい城 Eilean Donan
さて、気をとりなおして運転再開。エレンドナン(Eilean Donan)城に寄る。エイリアンドナン?と疑ったが、場内の係員さんに確かめたらエレンだった。湖畔ではなく湖の中(といっても岸に近いが)にあるので橋を渡る。観光客も沢山訪れており、小さいが展示品も充実していてオススメの城だ。
ここからスカイ島までの間にある名もなき道を右折してプロクトンに行くのだが、どこで曲がれば良いかわからない。一遍思いっきり間違ったあと、A87に戻って商店に買い物に来ていたおじさんに道をたずねる。なるほど、もう少し先を右折ですか…。近くまで行くと標識がありました。
狭い道を標識に従い、丘を何個か超えるとハイランド・カウがお出迎え。うぁ~い!ドライブ中何度か姿を見かけたが、こんなに近くで見るのは初めて。ちょっとコワイ…。
キャトル・グリッド(Cattle Grid/鉄のスノコみたいなもの)が道に埋め込まれているので、牛達は町へは侵入しない。高台から海へ抜ける下りの坂道はハリエニシダの花が満開。いままでのスコットランドとは違う雰囲気にmieも私もおおはしゃぎ。
この町、意外に観光客が多いのだ。しかも北国にあるまじきヤシの木が生えている!メキシコ湾流が運ぶ風のせいで北国にしてはかなり暖かいらしい。
あるイギリスのTVドラマ(マクベス巡査:Hamish Macbeth 1993~1995 UK BBCスコットランド製作。ロバート・カーライル主演)の舞台になったということで、イギリス人に人気のある町らしいが、夜訪れたレストランにはアメリカ人もかなりいた。日本人ではないと思うが、アジア人の観光客がいたのには驚き(私らもだっちゅーの)。
絶叫ドライブの幕開け
まだ昼を少しまわったところだったのでスカイ島にでも行こうかと思ったが、「片道1時間半くらいで行けるアップルクロス(Applecross)もいいところよ。」と女主人が教えてくれたのでそこへ行くことにする。これが「絶景ドライブ」ならぬ「絶叫ドライブ」の幕開け…。
プロクトンから山道を東に抜けA890に出る。湾を望む景色もなかなかで、キショーン(Kishorn)までは楽しいドライブ。さて、この先また名もなき道を左折するのだが、ここに意表をつくドッキリが待ち構えていた。進むのはゴツゴツした岩が飛び出ているせま~い道。もちろん対向車が来たらすれ違えないのでパッシング・プレイス(Passing Place)と呼ばれるスペースに車を停車してやりすごす。
■【動画】アップクロスへドライブ1ムービー(QuickTime形式)
■【動画】発音キショーンでいいのか?アップルクロスへドライブ(QuickTime形式)
それでも日本では見られぬ景色に感動していたが、進めば進むほど天気は悪くなるは、坂はキツくなるは…。「ちょっとヤバくない?」などと言っているうちに気温はどんどんさがり、終いにゃ雪が振りだす始末。スピードメーターなど計器類がならぶディスプレイに「雪の結晶」マークが点灯。しかも運転手のmieは「なんでこんなに上らないのっ?!」とエンジンをウンウン唸らせて怒る。先ほどフォード・フォーカス君の腹をこすったので、こんなところでエンコされたら…とやたら不安になる二人。窓の外には二匹のシカが遠くからこちらを眺めていた。
そうココは山越えの道。SGURR A’CHAORACHAIN(スキューラ ヒャラヒャン)と呼ばれる山があったのだ!景色もものすごくワイルドで、坂も見た目よりキツかったらしく、車が1速、2速じゃないと上らないのも当たり前か。パニクっていた我々はこの様子を写真におさめる余裕もなく、やっとのことで山頂に到着。
雪が降り、霧もかかった状態の山頂には意外に人がたくさんいて、キャッキャとはしゃいでいる。「あんたらアホちゃうか…」と呆れつつ、ゲッソリと疲れた顔のmieを山頂の目印前に立たせて記念撮影。北海道育ちの私たちにとって雪が振る中を普通のタイヤで走行するなんて論外である。
下りの山道も相変わらず狭く険しい。驚いたことにこのクソ狭い道を昇ってくるレッカー車がいる。誰かエンコしたに違いない。ご苦労なこって…。帰りもこの道を通ることは考えられなかったので、遠回りだが海岸沿いを走ってA896に戻ることに決めた。
苦労してたどりついたアップルクロス(Applecross)はなかなか奇妙なところだった。町の中心には行かなかったが公衆トイレと看板だけのiがある辺りは、大きな入り江(Applecross Bay)になっていて、潮が引いて露出した広大なエリアは赤っぽい砂と流れ込む川とが入り組んだなんとも言えぬ景色…。綺麗だし奇妙だし…。ここから北上してA896に抜ける海岸沿いの道も本当に美しい景色が広がる素敵なドライブコースだった。北国とは思えない南国風の白い砂浜、ターコイズの海を見ることができる。
美しい海岸沿いをたまに車を止めて堪能しながら、A896へ抜ける。そこからは何事もなく無事にプロクトンに到着。B&Bでホッと一息。紅茶を飲みながら今日のドライブについて語り合う。しっかし疲れた~!
その後プロクトンへ来た目的、Plockton Hotelのレストランに食事をしに行った。バーラウンジもあるが一応予約を入れていたので、しっかりダイニングエリアに通される。その部屋にはワインが似合うが、Pubの雰囲気満々のバーエリアを抜けてきたのでビールが飲みたい。種類がわからないので適当においしそうなビールを持ってきてもらう。
料理は新鮮な海産物をふんだんに使ったものが多い。肉料理ももちろんあるが、やはりココは魚介類を頼んだ。海沿いの町だから鮮度がいいのは当たり前。でも意外に手の込んだ料理はなかった気がするなぁ。ガストロパブの記事を読んで期待度が高かっただけに、「こんなもんか」と思ってしまう。いや、オイシかったんだけどさぁ~。期待し過ぎだったのよ。
nanba:Kishorn はゲール語で Ciseorn だそうですので、キショーンと読みます。ということは、英語でもキショーンでいいと思います。意味は Large bulky headland だそうです。でっかくてそれなりの大きさでつきだした土地ってことでしょうか?そんな地形でしたか?
eriko:そう言われれば、湾が奥まで入ってきていたので、突き出した土地だったかも!上記の動画で様子が分かるかな。
nanba:SGURR A’CHAORACHAIN は、スキューラ ヒャラヒャンと発音します。これはカタカナで書くとどうしてもこうなるのですが、二つのヒャとも、日本語にはない、のどの奥をならすようなヒャです。羊がいるとんがった丘ぐらいの意味だと思います。
eriko:これは日本人のみならずイングランド人でも発音できませんよね!?天気が悪く、しかもパニクッていたので羊がいたかどうかは分かりません。鹿はいたけど…。
情報ありがとうございます、nanbaさん!スコットランドやゲール語に関する話題が盛り沢山、nanbaさんのブログ『スコットランド贔屓の英国好き Baile Beag』はこちら。
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■スコットランド旅行の詳しい計画状況がわかる「2005年スコットランドに行っちゃった報告」も一緒に読んでね!