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イギリス基本情報

Posted: 2010年04月25日(日)06時58分21秒

 意外と知らないイギリスの基本情報。正式名称、住んでいる人、食べ物から治安までココでざっとおさらいしましょう。

イギリスの正式名称と住んでいる人々

 イギリスの正式名称はとても長い!
The United Kingdom of Great Britain & Northern Ireland(ゆないてっど・きんぐだむ・おぶ・ぐれーと・ぶりてん・あんど・のーざん・あいるらんど)、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国。略してUK。
 王国というからには王様がいるわけで、現在の元首はエリザベス女王(Queen Elizabeth II)ですね(※2022年9/8に崩御されました)。国歌は”God Save the Queen”(神よ、女王を守り給え)。チャールズ皇太子が即位したあかつきには”God Save the King”となります。

 日本人はイギリス人とひとくくりにしてしまうのですが、実はEnglish(イングランド人), Scottish(スコットランド人), Welsh(ウェールズ人), Irish(アイルランド人)と民族が違うので、スコットランド人にイングリッシュと言えば気分を害されること請け合い。どうしてもUK国民全体を指したい場合はBritish(ブリティッシュ)という単語を使ってください。

 国旗ユニオン・ジャック(Union Jack) はイングランドのSt George’s Cross(白地に赤い十字)、スコットランドのSt Andrew’s Cross(青地に斜の白十字)、アイルランドのSt Patrick’s Cross(白地に赤の斜十字)が合体したものです。

イングランドの旗 England – St George’s Cross
スコットランドの旗 Scotland – St Andrew’s Cross
アイルランドの旗 Ireland – St Patrick’s Cross
ウォールズの旗 Wales – Welsh dragon

コラム:なぜウェルシュ・ドラゴンがユニオン・ジャックに入っていないのか?

ユニオン旗が初めて作られたのが1606年。ウェールズは13世紀に既にイングランドに占領され1536年に正式にイングランド領になりました。その時からウェールズはウェルシュ・ドラゴンではなくイングランド旗を使うようになったので、ユニオン・ジャックにはドラゴンがいないのです。

 国土面積は約24.4万平方キロメートル、日本の2/3。人口は約6000万人、ロンドン:約774万人です(2010当時)。

UKの言語と訛り

英語はもちろんウェールズ語でも表記してあります。

  公用語は英語ですが、アイルランド、ウェールズ、スコットランドの一部ではケルト語源の言葉が使われています。北アイルランドには行ったことがありませんが、アイルランドの首都ダブリンやウェールズのカーディフでは道路標識などがキチンとニか国語表記されていました。

 同じ英語でも地方によって多くの方言があったり、訛りが強いのもUKの特長です。スコットランドの人が話す英語の訛りの強さは有名ですが、イギリス北部の訛りもかなりキツく、英語学習者には頭がイタイ問題です(イギリスのテレビドラマなんかは色々な訛りがでてきます)。ロンドンでさえ東部にはコックニーと呼ばれる下町訛りがあり、インドやアラブ諸国、アジアを含む多くの外国人も暮らしているため、訛りのバリエーションは凄まじい…。興味を持つとすごくオモシロイんだけど…。

 しかし、大昔から外国の人と接しているロンドンの人々は世界各国の観光客が話す英語に慣れています。私たちが話す変な英語を忍耐強く聞いてくれることが多いので、発音の悪さや文法の正しさなどは気にせずに、ガンバって話してみましょう。

イギリスの気候と時差

 日本との時差は9時間(日本の時計が進んでいます)、サマータイム(3月最後の日曜から10月最後の土曜日)中は8時間の時差となります。
 成田からロンドンまでの飛行時間は12時間ほどで、日本を午後発つと同日夕方くらいに現地入りする感覚。

 基本的にイギリスの夏は涼しく、冬は暖かい。ロンドンでもたまに雪が降りますが、めったに積もりません。スコットランドでさえ、とくに冬用のタイヤがないというのでビックリ!年間の平均気温と降水量はコチラでチェックしてください。 weather.co.uk

 湿度が低いので夏はカラッとすがすがしい天気がつづきます。30度以上になることはあまりないですが、近年ヨーロッパは猛暑にみまわれている…。昼間は暑くても日陰に入ったり、夕方になると寒くなるのでカーディガンなどは持ち歩いた方がよいです。夏にはたまにスコール?と思われるほどヒドイ大雨が降ったりしますが、すぐ晴れるのでどこかで雨宿りしましょう。夏場にテムズの河岸で飲むビールは最高!夏のヨーロッパはオススメです。

 北海道人の私にすればロンドンの冬など寒いうちに入りませんが、部屋の暖房が不十分ということが良くあります。短期留学など一般家庭に下宿する人は要注意!雨も秋から冬の方が良く降ります。イングランドでは意外に4月が3月より肌寒く風が強い日が多いです。

 なにしろ冬場は日が極端に短い(ロンドン北緯51度、札幌43度です。朝8時でまだ薄暗く、午後3時には真っ暗という時期もあり)ので冬のイギリスは陰気な感じ…。ただ、その分旅行代金は安いので美術館や博物館を巡ったり、バレエやミュージカルを見たり、ショッピングを楽しむには最適でしょう。クリスマスシーズンは街の飾り付けも美しく、楽しい雰囲気で素敵です。

 よく耳にする「霧の都ロンドン」ですが、ピカデリーやオックスフォード・サーカスなど街の中心で「霧」にあったことなんてない…。産業革命時代の光化学スモッグがそういわれた原因と噂を聞きましたがホントでしょうか?ただ、テムズ川近くの丘の町に住んでいた時は確かによく霧がかかりました。

祝日とお店の営業時間

 イギリスの祝日は”bank holiday”(バンク・ホリデー)と呼ばれます。大昔のことですが、銀行が取引業務を一切休む日に由来しているそうです。New Year’s Day、Good Friday、Easter Monday、Early May Bank Holiday、Spring Bank Holiday、Summer Bank Holiday、Christmas Day、Boxing Dayなどがあります。イングランドとスコットランドで微妙に休みが違ったりしますが、月曜のことが多いですね。

 さてさて、観光客にとってお店の営業時間は大切。テスコやセインズベリーズなどの大手スーパーマーケットは地方店でもかなり遅い時間までやっていますが、基本的にロンドンなど大都市以外のお店は17時には閉ると思った方がよいです。食料品店や観光地の土産物屋は日曜でも開いていますが、その他のお店は日・祝休み!レストランは夜に営業しないと始りませんので例外です…。

 年末年始のお店の営業時間ですが、クリスマスの25日と翌日のボクシングデイ(26日)は休業するところが結構あります。しかし、正月は営業をしています。12月31日と1月1日の営業時間は変則の可能性が高いですが、1月2日からは通常営業です。詳しくは各デパート、スーパーなどのサイトを参照してください。

 ロンドンの有名デパート・ショップは何時までやっているのか参考までに上げておきます。

ハロッズ(Harrods/デパート)月~土10:00-19:00 ※日曜12:00-18:00
フォートナム&メイソン(Fortnum&Mason/デパート)月~土10:00-18:30、日曜12:00-18:00一部開店
リバティ(Liberty/デパート)木曜を除く月~金10:00-19:00、木曜10:00-20:00 日曜12:00-18:00
ハムリーズ(Hamleys/おもちゃ)月~金10:00-20:00、土曜9:30-20:00、日曜12:00-18:00

食べ物と水

 イギリスの水は飲めます!ホテルに宿泊した場合、必ず電気式ティーポットとティー&コーヒーセットが置いてあります。水はバスルームの水道から汲んで湧かすのです。イギリスの水は一般的に硬質です。紅茶にはピッタリなのですが、飲みづらい人はお店でミネラルウォーターを購入すると良いでしょう。(シャワーや蛇口、ポットに白い粉のような固まりがついていることがありますが、それは水に含まれている石灰ですので問題ありません。)

 今回スコットランドに旅行して気付いたのですが、スコットランドの水はイングランドほど硬質ではありません。軟水といえるかはわかりませんが、シャワーをあびても髪がバサバサにならないし、飲みやすかったと思います。

 伝統的なイギリス料理というとローストビーフとヨークシャー・プディング、パイ類などでしょうか…。意外とパンはそれほど食べず、イモが山ほど付いてきます。「イギリスは食べ物が不味い!」ことで有名ですね。でも、数家庭の家庭料理をごちそうになりましたが、どれも美味しかったです。

 外食は日本にくらべると高い上に、ロンドンなどの大都市では真面目に不味いレストランも多く存在するのは確かなので、観光客にとっては「イギリスは食べ物が不味い!」ということになるのでしょう。


 ボリューム満点のイングリッシュ・ブレックファースト(目玉焼き、フライド・トマト、マッシュルーム、煮豆、ミートボールみたいな味のソーセージ、ベーコンなど)はオイシイと評判なので一度ためしてみてはいかがでしょうか。最近ではジェイミー・オリバーを始め若手のシェフがイギリスのレストラン業界を盛り上げていますし、ロンドンなら世界各国の料理が食べられますので選択肢は豊富です。フィッシュ&チップスやケバブあたりのジャンクフード(?)もトライするとよいかもしれません。

 白いご飯がどうしても恋しくなってしまったら…。日本食レストランもかなり存在しますが「日本食=高級」という図式が出来上がっていますので、ここはチャイナ・タウンを目指しましょう!中華料理は日本人の口にあいますし、”steamed rice”(スティームド・ライス)を頼むと白いご飯がでてきます。(とは言っても日本米とは違い、微妙に臭いがあったりしますので、ご飯にうるさい人はやはり日本食レストランですかね…。)
 最近ではマークス&スペンサーの惣菜コーナーでもサンドイッチと混じって巻寿司らしきものが売られています。味はどうだかわかりません…。

 先ほど述べましたが、イギリスのホテルやB&Bには99%の確率で電気式ポットが部屋に置いてあるので、日本からカップ麺やカップ味噌汁などを持参するのも手ですね。

 レストランでの英会話について知りたい方は【ドキドキ英会話-レストラン編】、PUBの利用の仕方をしりたい方は【PUBで飲もう!】を参考にしてください。

最後にイギリスの治安とお決まりごと

 ヨーロッパの多くの国では「えぇ?ちゃんとパスポート見た?」ってくらい簡単な入国審査しかしないところもありますが、イギリスの入国審査はしっかりあります。入国カードの滞在先がホテルで帰りの航空券も持っている場合はなんの心配もいらないようです。簡単な質問をされますので、答えましょう。友人と一緒に来た場合、まったく行動予定が一緒なら二人でデスクに行って大丈夫です。6ヵ月は観光ビザで滞在できることになっています。

 島国プラス厳しい入国審査のおかげで、他のヨーロッパと比べてもイギリスは治安が良いです。ロンドンにはほんとに多くの人種が暮らしており、アジアの人もたくさんいるので、私たちが疎外感を味わうことはあまりありません。しかし観光客はしっかり「観光客に見える」ということを忘れてはいけません!スリはどこにでもいるので、現金・カード・パスポートなどの管理はしっかりしましょう。

 知人がヨーロッパ旅行中、パリの夜は怖かったのでロンドンもそうだろうと思い、ヒースローに迎えにきた現地係員に「ロンドンは何時くらいまでなら街を歩いて大丈夫ですか?」と尋ねたそうです。現地係員はポカンとした顔をして「えっ?地下鉄がある時間なら何時でも。」と返答したそうですが、実際に繁華街で人がたくさん歩いている場所は危険ではありません。ミュージカルやバレエなどは女の子だけで行って帰ってきても大丈夫。
 ただし、見ず知らずの人について行ったり、怪し気な歓楽街に足を踏み入れたり、普通日本でもオカシイ&危ないことは絶対にしないこと。あとは地下鉄を降りて宿泊先のホテルへ向かう道が人陰もなく、見通しが悪い怪しい道だったらタクシーで帰ることをお勧めします。同じ道でも昼間と夜は雰囲気が違う場所も結構あるので、注意するに越したことはありませんね。
 あと、意外と地方の大都市の方がロンドンより治安が悪かったりするようです。特に金曜の夜などは酔っぱらいの犯罪が多いらしいので、十分に気をつけましょう。

 たまに”Change please.”(小銭をちょうだい)と声をかけるホームレス(現地の人は意外と寄付しちゃってます)や、あまり人がいない地下鉄駅でチケットを買うのにまごついている観光客に「僕がやってあげる。あ、この販売機は20ポンド札じゃないと使えないよ!」とか言ってお金を渡すとトンズラする奴、道でボランティアだと言って無理矢理花を買わせようとする人などもいますので注意。いやならハッキリ「NO!」と言いましょう。

 イギリスでは普通のお店はもちろん露店などで買い物をしてもボラレたり、お釣をごまかされるなどはあまりないと思います(計算間違いはありますが)。人を騙そうとする人が少ないのが私のイギリス贔屓の理由の一つですが、私がラッキーなだけかも知れないので、お釣、クレジットカードの明細などの確認はちゃんとしましょう。白タクには特に注意!

 逆にイギリスで一番頭に来ることは「ホテルやツアー、レストランなどなどで予約したにもかかわらず、予約されていないことになっている」とか、「駅員、店員の態度が悪い、トロくさい。あまりにも知識がない!」など、サービスにかかわることだったりします。日本ではあり得ないことが起るのがイギリスなので、主張すべきことは主張しましょう。ロンドンだと現地に住んでいる日本人も山ほどいますので、言葉で困ったことがあったら日本人に助けを求めるのもいいかもしれません。

 生意気ざかりの男の子が老人に席を譲ったり、乳母車を押しているお母さんが地下鉄を降りるときは誰かが必ずサッと手伝ったり、すごく親切に道を教えてくれたり「イギリスって良い国だなぁ~」と思うことも多々ありますが、それと同じくらい「ふざけんなぁ~」とブチ切れることもありますので…。

ロンドンの地下鉄には長〜いエスカレーターがある。たまに故障していることも…。

 イギリス人は銀行、郵便局、チケット売り場、トイレなどなど、キチンと並んで順番を待ちます。queue(キュー)とは「列に並ぶ」あるいは「列」を指す単語です。例:There is a long queue.(長い列ができている。)

 窓口ごとに並ぶのではなく、とにかく一列に並んで、あいた窓口に列の先頭の人が行く「フォーク並び」です。効率が良いですね。なぜか列にならないのが地下鉄(列車の入口がどこになるかわからないから)とパブ(参照:PUBで飲もう!)。周りの様子を観察すればすぐに「どこに、どう並ぶべきか」わかります。

 地下鉄など、エスカレーターでは必ず右に立ちます。左は急ぐ人のために空けておきましょう。混雑している列車の入口付近にいる人は、降りる人のために駅では一度プラットホームに降りて道を開けます。デパートやお店のドアを通る時に後ろに人がいたら中に入りつつ、その人のためにも長くドアを開けてあげます。何かをしてもらったら”Thank you.”(サンキュー)、人にぶつかったら”Excuse me.”(エクスキューズミー)、何かを頼むときには”Please,”(プリーズ)を忘れずに!気持ち良い旅ができるハズです。