イギリス・マーケットの基礎知識

Posted: 2005年12月09日(金)09時47分47秒

野菜売り ロンドンに行ったら絶対にマーケットに行こう!と思っている人も多いのでは?ポートベローやカムデン・ロックなどアンティークや若者向けクラフトで有名なマーケットの他にも、地元の人の生活に根付いた様々なマーケットがイギリスには存在します。 マーケットの種類、ロンドンのマーケット、その他のマーケット、マーケットの言葉など詳しくお届け!チャンスがあったら是非、色々なマーケットを覗いてみてくださいね。

マーケットに行こう!

2005 12/9 レポート:Phil 原文を読む/ read in English
バラマーケット 長い間にいくつか有名な映画があったおかげで、「ロンドン」といえば多くの人が「マーケット」を思い浮かべる。メアリー・ポピンズやノッティンヒルにも出てきたポートベロー・ロード(Portobello Road)は多くの人が知っている。ブリジット・ジョーンズを含めて数多くの映画で使われたバラ・マーケット(Borough market)も知られているかもしれない。これらのマーケットはもちろん実在するし、週末のお出かけにはうってつけ。でも、それらはマーケット巡りの単なる入口。イギリスには星の数程マーケットが存在するんだ。 まずは、主なマーケットの種類を紹介しよう。

■ 卸市(wholesale markets)
レストランやショップが業務用品を購入する場所。たいていは早朝開催。

■ 普通の「野菜・くだもの」市(fruit and veg)※veg=vegetable
文字どおり、野菜やくだものがメインのマーケット。

■ 骨董・のみの市(bric-a-brac or flea markets)
とにかくなんでも売っている。

■ ファーマーズ・マーケット/農産物市(farmerユs markets)
農家や食品会社が製品を直接個人客に販売する。

■ フラワー・マーケット(flower markets)
花に特化したマーケット。

などなどが存在し、臨時、特別な目的のマーケットもあるので後から説明する。イギリス国内の魅力的ながらあまり知られていない市場について話すより、とにかくまずはロンドンの有名なマーケットからスタートしよう。

ロンドンのマーケット

食べ物(ピクニックのためとか)を求めているのなら金曜午後と土曜日に開催されるバラ・マーケット(Borough Market)のファーマーズ・マーケットが一番。このエリアにはおいしいレストランや食料品店もある。テムズの北側に泊まっているならイズリントン(Islington)のファーマーズ・マーケットも良い選択だ。

あまり有名ではないけれど、散歩するならコロンビア・ロード・フラワーマーケット(Columbia Road Flower Market)が楽しい。日曜日の朝開催されている。辺りには朝食にピッタリの素敵なカフェもあるよ。ここからブリック・レーン(Brick Lane)に抜けると、そこはカレーと日曜の骨董市で有名な場所。

コヴェント・ガーデン(Covent Garden)にはもう市はたたないし、今では観光客向けとなってしまった。アルフレッド・ヒッチコックが映画に使った当時のコヴェント・ガーデンがどんな風だったか知りたければ、代わりにスピタルフィールズ・マーケット(Spitalfields Market)に向かおう。日曜日にはアートやクラフト作品、本などなどが果物、野菜なんかとともに売られている。

ロンドンの築地にあたるのがビリングスゲート(Billingsgate)・フィッシュ・マーケット。朝の5時からやっていて、一般人にも開放されている。古くからあって朝早くから開催されていてもう一つのマーケットはスミスフィールズ(Smithfields)・肉市場。朝4時開催、6時には地元のパブが朝食と一緒にビールを売ってよいことになっている。

ロンドンの北にあるカムデン・マーケット(Camden Market)は有名だろう。ちょっと混雑しすぎていて観光化されているけれど、土・日は今でも安い服や収集品、音楽、お土産品を買うのに良い場所だ。

平日の朝、ロンドンのどの地域を歩いてもなんらかの小さなマーケットに出くわすだろう。買い物をしてもいいし、ロンドンの面白い人達を眺めてみるのもいい。エッジウェア・ロード(Edgware Road/W2)、レザー・レーン(Leather Lane/EC1)、 ホワイトチャペル(Whitechapel/E1)、ウォルサムストウ(Walthamstow/E17)、ブリクストン(Brixton/SW1)、イースト・ストリート(East Street/SE17)、フラム(Fulham/SW6)、シェパーズ・ブッシュ(Shepherdユs Bush/W12)辺りにはたいてい市がたつ。
※/の後のアルファベットと数字は郵便番号

その他のマーケット・タウン

イングランドではたくさんの町が「マーケット・タウン」として知られており、町の名前として使われているところもある〈たとえばレスタシャー(Leicestershire)のマーケット・ハーバラ(Market Harborough)とかスロップシャーの(Shropshire)のマーケット・ドレイトン(Market Drayton)など〉。これらの町はとても小さいけれど、歴史的に村では許されなかったマーケットの開催を許可され、たいていマーケットプレイスなどと呼ばれる特設会場で市を開いていた。現在でも週に一度は市がたつ。地元の新聞やウェブサイトで日時が確認できる。

テーマ別マーケット

テーマ別マーケットはたいてい非常に興味深い。11月下旬から12月上旬にはあちこちでクリスマス・マーケット(Christmas markets)が開催される。バーミンガム(Birmingham)やリンカーン(Lincoln)ではドイツスタイルのクリスマス市がたつ。エジンバラ(Edinburgh)、ヨーク(York)、ダラム(Durham)、バース(Bath)にも古い大聖堂の近辺にクリスマス市がでる。クリスマスツリーにライトがきらめき一年でも特に美しいシーズンだ。これらのクリスマス市はヴィクトリア朝をテーマとしたものもあって、お店の人がオールドファッションな服を着たり、合唱隊がクリスマス・キャロルを歌い、伝統工芸や温かい食べ物などが売られる。ロチェスター(Rochester※ケント州)では名高い「ディケンジアン・クリスマス・マーケット」(Dickensian Christmas market)が開催される。

市場の言葉と習慣

多くのマーケット、特にシンプルな野菜・くだもの市では売り手が張り上げる早口な言葉を理解するのが難しいかもしれない。たいていは通り過ぎる人の気を引き購入してもらうために商品の値段を叫んでいる。例えば、「ゲッチャ バナ-ナ イアー、ルヴリーナーナー!トゥパンダ、パンダ バナーナ!」なんてカンジに聞こえる言葉の意味は

“Get your bananas here, lovely bananas! 2 pound(s) (for) a pound of bananas!”
バナナはどうだい。おいしいバナナだよ!バナナが1ポンド〈重さの単位;約450g〉で2ポンド〈こっちは貨幣単位〉ポッキリ!

法律では売り手はメトリック法(kgとg)を使わなければいけないことになっているが、未だに古い度量法のポンドとオンスを使うのが好きらしい。

屋台主はたいてい女性を「ラブ(love)」、男性を「メイト(mate)」と呼ぶ。お客さんが興味を持ったようなら売り込みをかける。

「OK、ラブ。おいしいリンゴもあるんだよ。これもどうだい?」
“OK luv, I’ve got some luvlee apples ‘ere too, ‘ow about it?”

※ロンドンのイーストエンドで市を構える人々の多くは「H」の音を発音しないか、ひどく弱く発音するので、hereはイア、howはアウに聞こえる。

興味がなければ “Not today thanks(今日はいいわ)” とか “That’s OK(結構よ)” と言えばいい。これらのマーケットで何かを買う場合、「丁寧な言葉をつかわなきゃ」などと心配する必要なし!” 2 kilos of apples please(リンゴを2kgちょうだい)” とか “How much are the lemons?(レモンはいくら?)” と簡単な表現を使えば良い。古物を扱う骨董市じゃない限り、多くのマーケットでは「値引き(discounts/haggle)して」と頼むのも珍しいことではない。


■【動画】ロンドンの東部、ペチコートレーン市場での呼び込み(QuickTime形式)

★お薦め!ロンドンのマーケットの場所や時間がわかる『Street Sensation』のマーケットページこのページで紹介したロンドンのマーケットももちろん掲載されているよ!


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